この記事で分かることはこんなことです
人生も生活もかかっているし、キレイごとばかり言っていられないのもこれ事実・・・
前回の記事の続きです。
昇進・評価に対する不満
これもとっても多いですよね。世の中の大手企業(特に日本企業)は、能力主義制度を取りながらも評価は「相対評価」である会社がほとんどです。
つまり、周囲に優秀な人が多いほど低い評価を付けられやすく、周囲にあまりできる人がいないと相対的に良い評価が付きやすいという仕組みになっています。つまり、エリート集団の部署に所属していると、平均よりも能力が高いにも関わらず、人事評価は落ちこぼれのそれになりやすいということを意味しています。
世の中の多くの会社はこの点を打開しようと色々な人事施策を打ち出していますが、一筋縄ではいきません。ましてやその仕組みを考える人たちはコーポレートよりのホワイトカラーの人たちなので、下手すると入社してからずっと現場を知らないまま、社員の評価制度を考えるポジションにいる人も少なくありません。
話が少し脱線しましたが、絶対評価を謳っていながら「絶対的に良い評価」を貰える人がいないという、一風変わった絶対評価制度の会社もあります(←皮肉です(笑))
また、年齢層が高い人が社員人口を多く占める会社は大手の会社には多く、結果として若手や中堅が大変な仕事をしている割に評価されない、といった悪循環が起こるケースは多いです。
筆者の周りにも、「使えないおじさん」を痛烈に批判する人物はおりました。いずれ自分も年をとるのですが、その時までは分からないですよね。不満を持つ気持ちも分かりますが、そうした組織で働いていることも事実。会社に所属している以上、全ての望みが叶えられることはないのです。
私はこの退職理由については非常に肯定的です。正当な評価を得るためにわざわざ外の世界(外の会社)に転職する決意があるということは、前向きな気持ちもありますし、そういう人はきっとある程度自分の実績にも自信をお持ちの方だと思います。
社内で適正な評価がどうしても得られないと感じており、尚且つ他社で一からチャレンジして実績を出し、適切な評価を得たい。と強くお考えの方には私は転職をすすめます。あなたの天職に出会えますように。
この理由はとてもよくわかるよ~。ぜひその前向きな気持ちを大切に、次のよりよいステップに向け準備を進めてください。
転職面接での根本的な理由としてはOKなのですが、理由として述べるときは少し工夫が必要。『評価に不満だった』これだけではダメです。
評価されなかった→もっとやってみたい大きな仕事があったが、社内の制度や人員の都合上携わることができなかった。
その仕事を遂行するための裁量権を与えてもらうことは現職では叶わなかった。(よって、御社に所属することでこれまで取り組んでみたかった大きな仕事、やりがいを感じる仕事にチャレンジさせて頂きたいのです)
こうして、後ろ向きな要素を前向きに変換しつつ、ウソをつかずに面接に臨みましょう。
キャリアアップ(スキルアップ)を実現したい
前向きな理由の一つで大変良いことだと思います。筆者も外資系に転職したときの大きな理由の一つがこれでした。キャリアアップとスキルアップは相互関係にありますが、綿密にいうと異なります。
スキルがなくてもキャリアアップを実現している人は世の中意外なほどいるんですよ。
基本的にはスキルアップを前提としたキャリアアップを考えるといいと思います。あくまで順番はスキルアップ⇒キャリアアップです。キャリアアップするためのスキルアップを考えてもよいのですが、いつかどこかでほつれが生じる可能性があります。
なお、スキルとは資格や技術だけではありません。対人関係のコミュニケーションスキル、人材育成、マネジメントなどの能力も立派なスキルです。当たり前の話ですが、年齢が上がってくるほどマネジメントスキルについては問われます。
筆者はラインのマネージャー経験はないので、前回転職時にはその部分はどちらかというと弱点要素でした。ちなみに、筆者と同じく30代後半~40代の方でもラインのマネージャ―経験者は限られていると思います。
これは相対的に時代的な流れもあると思いますが、筆者と同じ境遇の方はこれからも増えることと思います。今後はブログを通じてこうしたラインマネジメント経験なしの中途応募者でも面接をクリアするための秘訣を公開していく予定です。
キャリアアップについては、ついつい肩書と結びつけたくなると思いますが、一旦肩書は忘れて考えていった方がいいと思います。
『あなたは部長になりたいのですか?』
そうではなくて、会社の大きな組織ユニット長として、担当サービスや技術、人員育成や組織の拡大、大きな社内(社会)貢献、新製品の開発や事業推進、中堅層のマネジメント、などをやりたい。
その結果どこそこの会社の部長というポジションが必要なのではないでしょうか?
わたしは正直そこまで考えて転職していません。わたしの場合はスキルアップ(に伴うキャリアアップもできればいいな~)という理由で転職しています。
キャリアアップとスキルアップ、似て非なるものでもあるので、この点が退職を検討するテーマにあたる方は一度じっくりと考えてみて下さいね。
社風・労働環境が合わない
社風については入社する前に情報収集はある程度可能かもしれません。しかしながら、実際に入ってみないと分からないものです。また、以前は社風があっていたと感じていたのに、自分自身の変化により社風に違和感を抱くケースもあります。
以前であれば体育会系の社風で飲み会・コンパ上等!みたいな環境が楽しいと感じていても、結婚して家族を持ち、子供ができて、ガーデニングが趣味になる。植物を静かに愛でることが心の安寧につながる・・・・そんな自分になったらこれまでの社風にも違和感を抱いて当然です(笑)
しかしながら、だったら会社を辞めよう!という考えはちょっと待ってください。社風が合わなくても仕事に無理がないのであれば、じっくりと今後を検討することができます。
とはいえ、合わないと感じているとことにいつまでも我慢して所属するというのは、これからの時代の流れにはそぐわない気もします。そのためには、現状の環境を変えるために工夫してみる、転職活動をしてみる、趣味を持ってみる、副業にトライしてみる。
趣味や副業で見えてくる新しい世界や価値観があるかもしれません。
会社への依存度を薄めることで、自分自身のよりどころも分散され、問題は解消されるかもしれません。
それでも社風が合わず、退職したいと思っている方。ひょっとして社風を超えた問題がある可能性があります。日常的なパワハラ・セクハラ、横行する不正行為など。
外の世界から見ると明らかにアウトなのに、中にいる人たちは違和感を感じながらも、会社ってこんなものなのか、という間違った認識をしている可能性があります。もしそうであれば、しかるべき処置を取ったり、転職を検討する必要も出てくるかもしれません。
自分一人で悩まず、身近な人や行政の相談所などに一度相談することをお勧めします。
私が社会人初で入った会社はまさにそんな感じで今考えると完全にアウトな会社でした。しかし、新卒でそんな会社に入社したりすると、それが当たり前だと信じ込んでしまうんですよね。
労働環境については、特に体と心を壊すくらいの激務な職場であれば、ある程度のところで見切りをつけましょう。
猪木さんじゃないですが、元気があれば大抵のことは何でもできます。手遅れにならないうちに、環境を変えましょう。逃げる勇気も時には必要です!恐れずに行動してください。
もう一つ、労働環境について、IT業界は特に多いのですが、客先常駐が長い人も注意が必要です。あまりに長く客先常駐を続けすぎると、いったい自分がどこに所属しているか分からなくなります。
また、常駐先もお客様によりますがあまり良い環境が準備されている場所を私は見たことがありません。苦労してよい会社に入ったとしても、常駐要員としてあまりにもいいように会社に使役されないでほしいと個人的には感じます。(※今現在常駐仕事をされている方を否定する意図はありません)
会社の経営方針・業績が変化(悪化)した
これはどの業界、どの会社にも起こりうることで、画一的にこうすべきとは言えないテーマだと思います。例えばあなたが、某家電やメモリ産業に非常に強い会社の技術者で、大変スキルがあるのであれば、会社の経営が危機になっても外資系の同業者から非常に高いサラリーで引き抜きのオファーがあることも考えられます。
ピンチがチャンスになるケースの人もいますが、大抵の人は会社の大きな方針変更や業績の悪化は脅威だと思おいます。これは転職を検討するには非常にオーソドックス(と言っては失礼ですが)なケースであり、正当性もあるし、立派な退職理由にもなると思います。
後は見極めの時期です。業界のポジションや、その会社の評判、競合他社の動向などはチェックしておきましょう。また、あなたの会社が日本でも非常に大きな会社であれば、一定人員のリストラプログラムを切り抜けられれば、再生の道が開ける可能性があります。国の公的資金注入対象クラスの会社であればその可能性はさらに上がります。
業績悪化に伴う倒産のカウントダウンでなければ、落ち着いて焦らず今後の身の振り方を考えましょう。会社の業績が悪化したときのその後のパターンはいくつかあります。
①倒産
②自力回復
③資本注入、財務支援
④吸収合併
①についてはどうしよもないですが、②~④は会社は存続するといっても、人事制度の改悪や今後の昇給昇進が非常に見込みにくい状況になる可能性があります。
その時、自分のやりたいこと、愛社精神などと照らし合わせて身の振り方を考えるとよいと思います。
上場企業であれば、財務諸表の一つに「キャッシュフロー計算書」という書類があります。
これは、企業の一年間の経営活動に伴う現金(及び現金同等物)の流れを表したものであり、最終的なキャッシュ残高に余裕があればそう簡単には倒産しません。(企業は赤字になってもキャッシュがあればすぐには倒産しません)
そういった会社の状況も踏まえつつ、今後のご自身のキャリアを見つめてもよいかもしれません。
大切なのは焦らないことです。
まとめ
・会社以外の道を模索することで、仕事への不満が軽減される可能性もある
・大切なことは焦らないこと。腰を据えて検討しましょう。
コメント