コロナの影響で経済崩壊も危ぶまれています
ねぇねぇ、そもそも不景気ってなぜ起こるの?
日本経済は戦後脈々と発展してきましたが、何度か経済危機に直面しました。
直近で一番インパクトの大きかった景気の冷え込みはいわゆる『リーマンショック』です。
世界的な金融危機で、当然日本経済も冷え込みました。
そして、今回のコロナウイルス蔓延による世界経済の大きな停滞。
いま、生きている人はみんな経済の崩壊を恐れていると思います。そして、それと同時に『経済の崩壊』や『不況』というものはどういうものなのかという本質についても疑問を持ち始めている人が多いのではないかと思います。
今回は専門的な解説ではなく、肌感覚で理解頂けるような視点からこの疑問について考察します。
転職や経済に詳しくない方にも読んで頂けたらうれしいです。
経済用語としての不況の意味
ニュースで不況や不景気といったキーワードを聞かない日はありません。
GDP成長率が前年比何パーセント成長、とか日経平均株価が〇〇円を記録、とかいう言葉を聞いても経済の事について勉強している人でないといまいちピンとこないですよね。
それよりもわたしたち一般の人は、自分たちの生活がどのように変化するのかという肌感覚の方がよっぽど頼りになると思います。
政府や証券会社が発表しているような指標を耳にしても、あまりにも普段の生活とかけ離れていて実感がないのではないでしょうか?
【不況】の意味
資本主義社会における景気変動の一局面。投資・生産・雇用の減少、物価・利潤・の低落などをきたし、経済活動全体が沈滞する状態。不景気。
日々の生活レベルでの不況とは『お金が回らないこと』
この資本主義の世の中で、まだまだ絶対的な価値を持ち続ける存在があります。
それは、『貨幣』つまりは『お金』です。
わたしたちは何かを得るためにはお金を支払います。そして、お金を得るために働きます。
現代の世の中で、多くの人が生活をするためにお金を稼ぎ、そして稼いだお金を消費することで生命維持活動を行っています。
自分が支払ったお金を、誰かが他の何かを得るためにまた支払う、その支払われたお金がまた誰かが他の何かを・・・(エンドレス)
といった具合でお金の流れ(フロー)ができることで、わたしたちの生活(ひいては経済)が成り立っているわけです。
お金を回し続けることで経済は活性化する
話は変わりますが、コップの中の水は時間が経つと腐るのに、川や海の水は腐りません。
それは、川や海の水は常に流れているから(動いているから)です。
現代の経済も少し似たところがあります。お金という水が常に流れることで経済が活性化され、私たちの生活が潤っていきます。
上流から流れてきたお金を受け取って、それを下流に流していくことでお金のフローができ、お金を支払う代わりに生きていくのに必要なものを得ることで生命が維持されます。
資本主義経済では一部の上位層が大きく儲ける
資本主義経済は不平等な経済活動です。平たく言ってしまえば稼げる人と稼げない人が存在します。
社会主義経済はみんなが平等に富を分配しようとする経済ですが、資本主義経済は不平等な経済であり、格差が生まれやすい構造です。
特に一部の層の人に富が集中することになります。
当然この集中した富が色々なところに流れることで、経済が発展していきます。生活のための消費ではなく投資です。
投資されることで世の中に新しいものが生まれる
現代の資本主義経済は不平等な経済ですから、周囲よりも収入を得たいと思う人はそのために様々な工夫や努力をすることになります。
また、一部の巨額の富を得た人たちがその富を投資することで世の中に新しいものが生まれます。
便利で新しいものは高く売れるので、投資で成功した人はさらに大きな富を得ることになります。(そしてその繰り返しが起こる)
こうして上流からお金のフローができることで、私たちは収入を得たり、新しく画期的なサービスを利用することができるようになります。
確かにこうしたことで私たちはモノにあふれた生活を送ることになりました。しかし、過労やうつ病、ストレスや競争に満ち満ちた日々を送る人も少なくありません。
果たして、幸せとは何なのでしょうか?
生きるために新しいものがそこまで必要なのか
しかし、ここにきて今回のコロナショックです。
全世界で強制的に経済活動にストップがかかりました。
足元を見れば休業や失業を余儀なくされた人が出始めました。家の中で過ごすことが増え、収入が減った人は当然消費も減らさざるを得なくなったからです。
当然人によって環境は様々なので通り一辺倒な話にはならないですが、消費を減らしている人の割合は確実に増えているはずです。
消費がないので、お金が動かない。
お金が動かないので、消費がない。
こうしてお金の流れ(フロー)が緩やかになるため、経済が硬直化するといった現象が起こります。
新しいものを入手したくても入手しくい状況になっている人は日々増えています。
生命活動を維持するために最低限必要な衣食住に関わるモノは消費する必要があります。
しかし、それ以外の新しいものって、そんなに必要でしょうか?
家で過ごしながら、これまでの生活を振り返ってみて下さい。
そんなに欲しがっていた『それ』、本当に必要ですか?
欲しがっていたものを手に入れるために必死に働いていたその環境は、ほとんど前触れもなく崩れた人もいるでしょう。
悲しいですが今後も倒産や失業者は間違いなく増えます。
今まで盲目的に信じてきた、生きるための価値観はこれからも信じ続けてよいでしょうか?
コロナショックでこれまでの常識や価値観が今後大きく変わっていくでしょう。
消費しないことは悪なのか
ここまでの話で、収入と消費はある程度連動することをお伝えしてきました。
収入がなければ消費がない、消費がなければ収入がない。
とすると、消費しないことは悪いことなのでしょうか?あるいは収入がないことは悪いことなのでしょうか?
資本主義経済が基盤である現代のわたしたちの生活は、良くも悪くも『お金』というものに支配されています。
なので、お金がない人はぞんざいに扱われたりバカにされることもあると思います。
しかし、今回のように一般人には何の前触れもなく、消費も収入も大きく減らざるを得ない状況が発生した時、消費しないことは悪なのでしょうか?
『お金』がないことは悪なのでしょうか?情けないことなのでしょうか?
お金を持っていることは良いこと、すごいこと、という観点で言えばお金がないことは悪いことなのかもしれません。
しかし、そうした観点を外してもう一度考え直してみた時、これまでと同じように考えることができるでしょうか?
そのくらい、今回のコロナウイルスの影響は大きいと思います。
これまでの常識を疑う機会が与えられています。
きれいごとを言いたいわけではありません
お金は大切なものです
お金を使わないことを考える機会
このように、未曽有の状況が発生すると、必然的にこれまでの考えや価値観を見直さざる得なくなることがあります。
これまでの経済は確かに消費することで追加の需要が生まれ、需要を供給することで発展してきました。
しかし、『消費しない』ということにも目を向けてもよいのではないでしょうか?
何も一切の消費を止めるという事ではなく、過剰な消費を見直してみる、そんなことでいいのです。
消費しないという事はお金を使わないという事です。
お金を使わなければ確かに経済は低迷します。
しかし、経済が低迷したらしたで、その状況に応じた過ごし方や新しいやり方が生まれるはずです。
何も積極的に貧困になろうという話ではありません。
必要なものはしっかりと見極め、ムダなことを減らしていけばよいのではないでしょうか?
世の中にモノがあふれすぎている
実際に世の中にはモノがあふれすぎています。
コンビニの食材廃棄などは誰しもが知っていることだと思いますが、消費されないものが過剰に生産されていることは事実です。
そこまで供給過多になっているのにも関わらず、生活が豊かである、将来の心配は何もないと感じている割合はそんなに多くありません。
たくさんのモノに溢れている時代なのに・・・
これってすごく矛盾していると思いませんか?
ミニマリストが流行る?
もうすでに浸透している言葉ですが、これからはミニマリストが流行るような気がします。
必要最低限のものでしっかりと生活していく。
余計なモノを持たずにシンプルに生きる人が増えるのではないかと思います。
物質以外の豊かさも必要になる時代
コロナウイルスの影響による世の中の急激な変化で、本当に必要なものに気が付いた人もたくさんいるでしょう。
色々と失ってみて初めて気が付く大切なものもあると思います。
それは、物質的な豊かさだけではなく、健康や精神的な充実感かもしれません。
普段仕事で日中ほとんど家にいない人も、静かに家で過ごしていると思います。
こうして普段とは違う生活がいきなり始まったり、不安を煽るようなニュースばかりみたりすると、ストレスが溜まったり、恐怖があぶりだされたりすることがあります。
こうした自分の中に内在していた、普段気にとめていなかった、あるいは見て見ぬふりをしていた感情に向き合う事でこれから自分はどうやって生きていこうかと考え直している人も相当いらっしゃるはずです。
お金以外の価値交換が注目される可能性も・・・
仕事に関する考え方やスタンスに変化が出てくることもあるでしょう。
本業の働き方を変えてみたり、副業に興味を持ってみたり、これまで盲目的に働いてきた人でもこれまでとは少し違ったオプション(選択肢)に目を向ける機会も増えるかもしれません。
今回のコロナショックで、これまで真っ当に一生懸命に仕事をしてきたのにも関わらず苦境に立たされる人もたくさんいます。
こうしたことがあると、仕事やお金だけに偏った価値観を持っているとそれが壊れたり、今まであまり興味を持っていなかったことに興味を持ち始めたりするかもしれません。
今後もお金の存在がすぐになくなることはありませんが、お金では手に入れることができない価値が注目される可能性があります。
例えば精神的な充足感や、助け合いや協力、福祉、経験や健康に関すること。
こうしたことはお金にはなりにくい分野だと思いますが、お金では簡単に手に入らない価値を共有したり交換したりすることが注目されていくのではないでしょうか?
文字通り『プライスレス』ですね♥
総じて自分に合った価値観で生きていくべき
人類史上でも未曽有の事態が、今全世界レベルで起きています。
私たちはその時代を選んで生まれてきた立会人です。
一見すると恐怖でしかないかもしれませんが、これからのわたしたちの生き方や価値観を強制的に大きく転換してくれるターニングポイントなのではないでしょうか?
資本主義経済が浸透して、次々と新しいものが生み出されました。
そしてその流れは留まるところを知りません。
わたしたちはいつしかハツカネズミのように常に走り続けなければならず、止まれなくなっていた人もたくさんいたはずです。
今回のコロナショックはそんなわたしたちの生活に強制的な歯止めをかけました。
歯止めをかけられて、それぞれ思うところがあると思いますが、みんな多かれ少なかれ価値観や考え方に変化があったはずです。
どんなに順調であっても、たったひとつの出来事で全てがひっくり返ってしまうようなことが実際にあるということを、今を生きるわたしたちは身をもって体験しています。
そして、今後の将来も何一つとして確定しているものはなく、何かが保障されているわけでもありません。
そうであれば、後悔しない人生を歩むために、それぞれ自分の価値観に合った生き方を選択してもよいのではないでしょうか?
当ブログは未来の働き方にも注目していきます
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