IT業界のベンチャー・外資大手・日系大手を渡り歩いた筆者が綴ります。
今回は、転職活動で重視したい会社選びの基準について。
転職面接の場で答える内容とホンネは少し違う、転職時の会社選びの基準とは・・・?
この記事で分かることはこんなことです
退職理由で最も多い項目は『人間関係』
人間関係の不満は『我慢が足りない』のか?
いつの世も、退職理由で最も多い項目は『人間関係』です。
人間関係がよくないと仕事の効率も上がらず、居心地も悪くなるでしょう。ハラスメントなどが横行している職場などはその究極的なものだと言えます。
人間関係で転職を繰り返す人は、次の職場でも同じく人間関係で退職する。
以前はこんな言葉をよく聞きました。人間関係の不満を口にするのは『我慢が足りないからだ』と。
果たして本当にそうでしょうか?
ハッキリ言って、人間関係が心身に異変を起こすくらいのストレスならさっさと退職した方がいいです。
その職場、そこまでしがみつく価値がありますか?
以前の社会は我慢していれば報われやすかった
仕事をする以上は多少の我慢を要する場面も必要であることは否定しません。
経済成長が著しかったころ、また落ち目になってきてもまだ世間ではそこまで少子高齢化が問題視されていなかったころの日本では我慢は美徳とされていました。
まだまだ会社に何とか残っていれば、ある程度の年功序列で先が見えていた時代です。
嫌いな職場や人間関係でも、何とか『我慢』して耐え忍べばいつか報われる時が来るという一筋の希望が見えていた時代です。
しかし、今はそんなに我慢をしていても将来安泰なわけでもないですし、給与の増加も見込めない時代です。
言い換えると先行きの不透明な社会(会社)で必要以上に我慢をし続けることで得られるものは少なくなってきていると筆者は考えています。
そう考えると、人間関係で会社を辞めるのも、そんなに変な理由ではないですよね。
以下、リクナビNEXT様の記事から引用させて頂いた退職理由のランキングです。
人間関係の悩みを解消するための転職活動とは?
転職先企業の『社風を知る事』が何より大切
例えば、あなたの退職理由が上のランキング4位の『給与が低かった』だったとします。
転職先では晴れて給与がアップ。うきうきのあなたを待ち受けていたのは、高い給与とぎくしゃくした人間関係でした・・・
あまり考えたくないことですが、そうなるとあなたは転職先で人間関係に悩まされることになります。実際人間関係の悩みは苦しいものです。毎日続くことですから。
多かれ少なかれ、職場には『社風』があります。
『社風』に居心地がよいと感じる社員は長期就労しやすいです。その結果、社風に合った社員がその会社の多くを占めることになり、社風が緩やかに継続していくことになります。
社風に共感できる人たちが集まる職場。つまりその社風が性格的にあっていると感じている人たちが多く職場に在籍することになります。
体育会系でイケイケの社風。慎重な判断で保守的な社風。和気あいあいで縦より横のつながりを重視する社風。まじめで堅い社風。
社風は本当に会社によって異なります。部署で違うこともあるのでそこは注意が必要です。
転職活動では配属先の人間関係まで知ることはできない
本当は配属先の人間関係が転職活動、面接などで分かれば一番良いでしょう。
しかし、通常の転職活動でそれを知ることは不可能に近いです。
また、職場の人間関係に永遠はありません。
退職・異動・組織改正などで人間関係は生き物のように変化します。
良くも悪くも同じ人間関係が続くことはないのです。
であれば、転職先で継続的に良好な人間関係を手にするために大切なポイントは、社風なのです。
ルールや制度が社風を担保していることもある
これまで当たり前のことを書き過ぎましたが、結構大切なポイントです。
社風はベンチャー企業などでは社長そのものだったりします。大企業になると、創業時のスピリットは受け継がれつつも人事主体で社風の改善が行われたりします。
大企業などは、人事が主体で社風を維持するためのイベント・理念の共有やルールが存在します。
社風を維持するための教育制度がある場合もあります。
例えばパワハラやセクハラを防止するためのルールや、E-learningなどの教育制度がある会社があります。
そのような会社の社員は、パワハラやセクハラに対する防止意識は平均的に高くなります。例外的な人はいますが・・・(笑)
つまりこのようなルールや制度が社風を維持しているケースもあるということです。
良い意味で、社員教育という名のもと、社風が維持される仕組みがあります。
前述したように、社風にあった社員が長く在籍することになります。
考えや感じ方の近い社員同士であれば人間関係も比較的良好になりやすいと考えることができるでしょう。
社風があっていれば転職リスクを減らすことができる
最大の転職リスクは転職してすぐ退職すること・・・
超絶激務の職場などを除くと、社風があっていれば取り合えず職場に出勤することは可能でしょう。
社風があっている=居心地がよい
ということなので、入社後の多少のギャップも受け容れやすくなります。
思っていたよりも残業が多い、業務内容が若干異なる、意味不明なルールがある、など入社後には多少のギャップはつきものです。
しかし、社風がそれなりにあっていればすぐに辞める必要性に駆られることはないでしょう。
このこと自体が転職リスクを減らすことと言えます。
転職リスクで最大のものは、転職してすぐに辞めてしまう事です。せっかく苦労して勝ち取った内定。またすぐに転職活動のやり直しになるのはなるべく避けたいですよね。
転職活動は本当にタイヘン!
辞めなければ、考える時間ができる
このように、転職先でギャップがあったとしても、取り敢えず辞めなければ生活の保障と考える時間が出来ます。
社風がある程度あっていれば、生理的に受け付けない状況にはなりにくいでしょう。その間に作戦を練ればよいのです。
その会社でしっかり働いて上を目指してもよし、将来部署異動を願い出てもよし。
そして、ある程度経験を積んで転職してもヨシ・・・
すぐに退職しなくてよいという事は、それだけ時間的な余裕ができるということです。今後の身の振り方をじっくり考えましょう。
社風が合っていれば、会社に居ることで発生するストレスも減ります。これは非常に大切なことです。
人間関係の悩みも減らせる可能性もある
社風が合っていれば、人間関係のリスクも減ります。
同じ社風に共感できる人というのは、価値観が似ていることが多いです。
保守的で静かなお役所のような職場で、体育会系でギラギラした感じの人がいないことを想像すれば分かりやすいのではないでしょうか?
平たく言うと、似た者同士が集まる傾向にあるということです。
もちろんその中でも人間関係のトラブルは起きます。他人でいる以上当たり前のことです。
しかし、人間関係で悩むあなたに共感を示してくれやすい人がいる確率もそれなりにあるのです。
共感や理解を示してくれる人がいるのといないのでは大違いです。
高給やステータスにも代えがたいもの、それが人間関係
いくら高給を貰っていても、世間的にうらやましがられるような企業で働いていても、人間関係は何にも代えがたいです。
人間関係は日々のことですから、この日々があまりにも辛すぎるのは正直地獄だと思います。
わたしも外資系で勤務していた時は非常にぎくしゃくした職場でした。
人間関係の大切さを骨身にしみて感じた瞬間です(笑)
社風を理解するための転職活動の方法
社風を知ることは転職面接対策にもなる
私はこのような方法で自身の転職活動時は社風について情報収集していました。
社風を知ることで、自社に適した人材を見定める転職面接での質問を想定することもできます。
イケイケな社風であれば、行動力や快活さを求められます。
慎重な社風であれば、思考力は正確な判断力。
協調性を重視する社風であれば、みんなで達成した案件のエピソードなど・・・
社風を知ることは転職面接突破の重要なカギでもあるのです。
社風を知るための方法
私はこのような手段で社風について調査していました。
①ができると一番良いですが、そのケースは限られます。
②についてはエージェントを利用されている方であれば、是非聞いてみて下さい。エージェントは企業人事担当者と直接パイプを持っています。
また、これまでの転職実績が高い会社であれば相当な情報を持っていることもあります。しかも実情に即した信用性のある情報ですので、聞かない手はありません。
③についても是非調べて頂きたいです。大企業や有名企業でないと情報がないケースもありますが、情報が調べられるのであれば是非見ておいて頂きたいです。
④については、こういうサイトがあります。
退職している人が書いている情報も多いので、ネガティブな要素も多少あります。
そこの部分を理解した上で閲覧すればよい情報が得られると思います。
転職面接での社風についての逆質問
⑤について、私は転職面接の逆質問の場でもよく質問させて頂いていました。
例えばこのような感じです。
ベンチャー企業の場合は少し難しい・・・
退職と転職のループにハマらないためには、人間関係が良好な職場に在籍することはとても大切なことです。
社風を知ることは転職面接対策にもなります。あなたがよいと感じる人間関係が実現できる職場に当たる可能性も高まるでしょう。
しかし、ベンチャー企業の場合は少し難しいかもしれません。
それは、メンバーの入れ替わりが激しいからです。
また、買収や合併などで創業時のメンバーが社長含め軒並みいなくなることもあります。
こうなれば、全く違う会社と言っても過言ではありません。
人間関係はリセットされ、新しい環境を社員自らが作っていくことになります。そんなところもベンチャー企業のおもしろさでありますが、それを楽しめるかは人によります。
まとめ
・人間関係の良い職場に転職するためには『社風』を知りましょう
・社風が合っていると、転職リスクを減らすことができます
・ベンチャー企業は環境の変化が激しいので注意が必要です
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