新卒採用では人事面接は100%と言っていいほどクリアしなければならない壁です。
転職面接でも人事との面接の機会は多く、様々な角度から選考ポイントを設定されています。
いったい、人事担当者は転職面接で応募者のどういった点に注目して選考しているのでしょうか?
これは、面接の段階(一次面接 or 最終面接)や企業の考え方で差が出てくるところでもあります。
今回は人事面接で見られているポイントと対処方法についてお伝えしていきます。
人事面接を有利に運ぶ逆質問についても触れています。
この記事で分かることはこんなことです
人事部採用担当者に求められていること
採用担当者としての人事はどのようなことを会社から求められているのでしょうか?
応募者としても採用担当者の立場を理解しておくことは必要です。
一般的には採用担当者は企業の採用活動においてこのようなことを会社から求められています。
会社としても、同じような考え方や性格の人ばかりとることは実はリスクです。
考え方に偏りが生まれ、中長期的に新しいものが生まれにくい状況になる可能性があります。
自社の求める人物像やスキルに合致する応募者で、尚且つ会社に新しい風を吹き込んでくれる存在だと判断されると合格可能性はいっきに高まることでしょう。
そして何より大切なことは、すぐに辞めそうな人は採用しないということです。
先天的なポイントと後天的なポイントとは
人事の採用面接においては、候補者は大きく2つの観点から分析されます。
それが先天的なポイントと後天的なポイントです。
①性格や価値観に関すること
②基本的な能力
③ベースとなる社会人としての素養
①仕事をする上での技術やスキル
②コミュニケーション能力
③ストレス耐性
④考え方や行動のクセ
⑤動機やモチベーション
応募者が生まれ育つ過程でベースになっている素養と、社会人としてこれまでの経験から培ってきた素養の両面から自社にとって適性のある人材であるかという評価が行われます。
数値や客観的な根拠として分かりやすいのは、後天的なポイントでしょうか。
採用担当者はこれらのポイントを基に、一定の指標として合否の判断ができるための情報を転職面接の質問を繰り返す過程で入手していきます。
わたしたち応募者はこのような判断基準で情報を取得されているということを理解しておきましょう。
後天的なポイントを確認するための質問
人事の採用担当者の面接は、ある程度質問項目が決まっていることが多いです。(中にはあからさまに何かを見ながら質問してくる人も・・・)
先ほどの後天的なポイントを見極めるための質問例をご紹介しておきます。
①仕事をする上での技術やスキルに関する質問
・これまでどのような言語を使ってシステム開発を行ってきましたか?
・プロジェクトのリーダー経験があれば、その内容について教えてください。
これまでの具体的な経験やスキルについて、応募者本人の説明を元に募集要項に必要な水準に達しているかを確認するための質問です。
配属先の現場で発揮してほしいスキルの確認は現場責任者の面接で細かくチェックされることになります。
人事面接におけるスキルの確認は、会社全体としてそれぞれの職能に必要とされる基本的なスキルを確認することが多いです。
また、スキルや経験の極端な偏りについてもチェックされています。
経歴のブランクやおかしな点などがないかについても実は確認をされていることも忘れずに・・・
人事面接のスキルチェックは、入社するにあたって保有していてほしいスキルを持った人材であるかという観点から確認をされています。
②コミュニケーション能力
・考え方や価値観の違う人と一緒に仕事をする時にはどのような事に気を付けていますか?
・職場で意見の対立が生じた時の対処法を教えてください
基本的なコミュニケーションの取り方について確認をしています。
仕事を進めていく上で、基礎的なコミュニケーションの取り方に関する質問です。
あなたがどのように同僚や上司に対して協調性を発揮できそうかという観点からチェックをされています。
③ストレス耐性
・繁忙期には残業が発生しますが問題ありませんか?
・ストレスを感じた時はそれをどのように解消していますか?
極端にストレス耐性がある必要はありませんが、仕事をする上でどうしても生じてしまう摩擦やプレッシャーにどの程度耐性があるということを確認されます。
ストレスが比較的多い業界や職種については、やや重点項目として質問される可能性があります。
入社後のギャップが大きくてすぐに離職してしまう可能性を事前に払拭しておくためです。
こうした項目に関連する質問をかなり受ける場合は、入社した後もかなりハイプレッシャーがかかる職場なのかもしれません。
④考え方や行動のクセ
・仕事を進める上で重要視しているポイントについて教えてください
・重要なクライアントから納期が間に合わない仕事を依頼された時にどのような対処をしますか?
社風や仕事の進め方は会社によってかなり異なります。
スピード重視でイケイケな会社と、慎重さを大切にする会社では仕事の進め方は真逆です。
あなたの仕事に対するスタンスと、応募企業の仕事の仕事の進め方がマッチしていそうかという観点から質問をされることが多いです。
⑤動機やモチベーション
・弊社を志望する動機を教えてください
・同業他社でなくなぜ弊社を志望しているのですか?
・仕事をする上で達成感を感じることはどんなことですか?
人事としては外せないポイントです。
応募者がどの程度の志望度を持っているかという事は、非常に重要視されます。
スキルが多少足りていないと判断されていても、志望動機や仕事に対する熱意が高いと評価されることで合格を勝ち取れる可能性があります。
言い換えればスキルや経験が十分すぎるほどあっても、志望動機があいまいだったり、モチベーションが低いと判断されると転職面接では容赦なく落とされます。
dodaのサイトでも後天的なポイントについての記事があります。
人事面接は転職面接のどの段階に設定されている?
キャリア採用としての転職面接における一般的な選考フローについて、おさらいをしましょう。
一般的な選考フローは概ね以下の形式が一般的です。
会社によっては、3回面接があるケースもあります。
人事担当者の面接が一次面接と最終面接に設定されている企業もあります。
一次面接と最終面接では人事担当者も面接で重要視するポイントが異なります。
一次面接で見られる点は大きな欠点がないか?
一次面接が人事担当者との面接である場合、応募者の基本的なスキルや志望動機の確認はもちろんされます。
しかし、以後の面接ステップに進ませてよいかどうかという観点で見られます。
現場で発揮してほしい細かいスキルなどは、現場責任者との面接で実施されますからね。
応募者に極端に感じる違和感や欠点があれば落とされます。
スキルが光っていてもそんな応募者二次面接に進ませることは、人事の採用担当者としてもリスクを負う可能性があるからです。
二次面接以降の面接官がまともに面接を実施できるか、という観点から面接を実施されることもあります。
逆をいうと質問にはそつなく答え、大きな欠点を感じさせないようにすることが面接突破のポイントです。
面接担当者が比較的若い担当、課長クラスの担当者であればこうした傾向が強いでしょう。
最終面接が人事担当者のケース
最終面接に人事面接が設定されている場合は、ほどんどが人事部長や役員との面接になります。
既に現場責任者との面接をパスしている応募者であるため、細かいスキルの確認を受ける可能性は少ないと言えます。
その代わり、志望動機や仕事のスタンス、考え方や価値観といったポイントから、じっくりと観察されることになります。
本記事の冒頭でも説明した『先天的なポイント』についてもチェックされるでしょう。
最終面接だからといって、油断してはいけません。
入社意思が確認されるだけと高をくくって面接に臨むと、すぐに見抜かれてしまいます。
応募者の気を緩めてホンネを引き出すことは朝飯前のベテランなので、しっかりと気を引き締めて臨みましょう。
最終面接で対応する採用人事担当は『採用のプロ』です。
あらゆる角度から応募者が自社に相応しい人材であるか、確認されると思います。
こうした相手には付け焼刃の考えや作り話は通用しません。
これまでの面接内容をしっかり復習し、自然体であなた本来のよさを出せるように意識しましょう。
人事の面接官に対する逆質問のしかた
転職面接ではほとんどの場合、逆質問の時間が設けられます。
効果的な逆質問をすることで、できる応募者できあることをアピールしましょう。
現場の細かい仕事の内容は人事担当者は知らないことがほとんどです。
従って、そうした質問よりは会社全体のことや、方向性などに関する質問がよいと思います。
面接が進んでいく中で、人事担当者が気になるポイントがどこかということが分かってくると思います。
相手が気になっているポイントについて逆質問をすることも高等テクニックですが有効です。
例えば、仕事に対する価値観を面接で深堀されたのであれば、
社員に持っておいてほしい仕事をする上でのマインドはどういったポイントなのでしょうか?
こうした質問をすることで、面接官が応募者に持っておいてほしいマインドやスタンスについて知ることができます。
相手が何を欲しているか、先読みをすることが効果的な逆質問にもつながります。
逆質問はこちらの記事で詳しく説明しています。
こうした質問をしてくる人事には要注意
転職面接では、採用企業は応募者に何でも際限なく質問してよいわけではありません。
厚生労働省は、会社(事業主)に対し、公正な採用活動を実現するために面接で質問してはいけない項目を定義しています。
<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
同じく厚生労働省の歩^無ページより、不適切な採用選考で質問された項目に関する調査結果です。
家族に関することが、圧倒的に占めています。
採用活動はあくまで応募者の能力や適性によって選考されるべきです。
このような項目に関することを転職面接の場で聞かれたら、要注意です。
採用活動における基本的なことができていない企業とみなすべきでしょう。
転職面接で人事から見られているポイント
いかがでしたでしょうか?
採用担当の人事の目線、立場を理解することで面接に臨むスタンスも変わってくると思います。
ということで今回の記事のまとめです。
・人事面接がどのステップにあるかによって、選考されるポイントが違う
・相手の気になっているポイントを逆質問すると効果的
・採用面接では質問してはいけない項目もある
コメント