IT業界でベンチャーから外資、現在は大手国内企業に勤務する筆者です。
IT業界にも様々なカラーの企業があり、事業内容や文化、仕事の進め方も企業により異なります。
今回は様々な企業が存在するが故に聞かれることがあるこの質問に焦点を当ててみたいと思います。
この記事で分かるのはこんなことです
転職面接冒頭の志望動機に近い質問であるが、角度が違うだけ

今回の転職に当たっての企業選びの基準はどのようなものでしょうか?
このような質問のされ方が多いと思います。
転職面接は開始直後はほぼ自己紹介や志望動機のヒアリングから始まります。
今回の質問が出るケースはおおむね面接中盤以降であることが多いです。ちなみにこの質問を貰うという事は、それまでの面接過程は中々の出来栄えだったと考えてよいでしょう。
なぜなら、この質問は志望動機についての深堀だからです。
もっと言うと、あなたの志望動機を叶えるためにどのような企業で働きたいかと聞いてくれていることになります。
質問には『受験企業の中で』という枕詞がついている
質問の意図としては、応募者であるあなたが複数の企業の面接を受けていることが前提で、その企業の中でどのような基準で企業選びをしますか?ということになります。
この質問がでるまでの中で、志望動機や業務経験などのヒアリングは大体終わっているはずです。
面接官は、あなたの希望する仕事内容や適性についてある程度理解していると考えてよいでしょう。
その上で、今度は志望動機を実現する職場の環境について質問を受けていると思って下さい。
同じ職種でも仕事の進め方は全然違うことが多い
例えば、あなたが新規開拓メインのセールス職として転職を検討しているとしましょう。
新規開拓といっても、大手の企業を攻めるのか、中小企業を攻めるのかによってアプローチの仕方が全然違います。
大手の企業であれば、じっくり時間をかけながら、チームワークを活かして仕事を進めていくことが多いです。
中小企業であれば訪問件数や時間効率、更には単独営業でクロージングすることが重視される傾向にあります。
あなたが全社の大手企業向けの新規開拓セールス職を希望していても、実際の配属が中小企業向けのセールスチームになるとギャップが生まれる可能性があります。
そういう意味で、自分のやりたいことと業務内容、企業の文化があっているかということを確認することが重要です。
採用担当者としても、応募者であるあなたの能力が必要十分だと判断しても配属後のギャップや企業文化との適合性を見極めたいのです。
あなたの能力が発揮しやすい環境であることが大切です。
企業選びの軸が応募企業にあっていると合格しやすい
これまでの話を踏まえると、あなたの能力が発揮しやすい環境であれば双方にとってメリットがあるわけです。
つまり、今回の質問の回答としては、企業選びの基準が応募企業に該当していると合格率が上がるという事になります。(もちろん能力要件を満たしていることが前提)
当然採用担当者も、応募者の企業選びの軸が自社の環境と合っていれば、入社後のギャップも少なくなると考えます。
ひいては長期的に戦力になる人材であると判断される可能性が高いです。
因みに、合格が欲しいあまりに企業選びの基準を曲げてまで答えないほうがよいと思います。
入社後のギャップにつながり、のちのち苦しい思いをします。
転職面接の中で受験企業の文化を探る
あなたが本当に働きやすい職場の内定を勝ち取るためには、面接の中であなたの考えや働き方にマッチしそうな職場であるかを感じ取ることが必要です。
逆質問の時間なども有効利用しながら、自分が働きやすそうなイメージが持てるか確認をしましょう。
例えば、1年後の離職率について質問してみたり、小さなお子さんがいる女性の働き方などについて尋ねてみてもよいでしょう。
また、仕事の仕方についてはどういった社員が結果を出せているのか、どのような仕事の進め方なのか、お客様はどのような企業が多いのかなどを聞くだけでも随分と情報が得られるものです。
逆質問についての参考記事↓
受験企業の事を知っていく中で、自分がよいと思ったポイントがあればそれを企業選びの基準として答えてもよいでしょう。
回答例文(私が答えた企業選びの基準)
私が実際に答えたことのある内容をサンプルにします。
これには、なぜ前職を退職したのかという退職理由も一部含んでいます。
前職では担当する顧客が多すぎることもあり、担当顧客各社に対して避ける時間が少なすぎたことがジレンマでした。また非常に多忙な職場であったため、チームワークを活かすことが難しい環境でもありました。
それを踏まえて、チームワークが発揮しやすいこと、特定の顧客向けにじっくりと戦略を描きながら仕事ができる環境がある企業で働きたいと思っています。
業務に直結しない回答は避けた方がよい
この質問の回答としては、仕事をしていくうえでの条件や環境を意識して答えて下さい。
例えば給与の高さや有休の取りやすさ、残業の少なさなどといった基準も企業選びの基準としては重要なことになります。
しかし、転職面接の場で聞かれる質問の意図としては、業務に関係する内容を確認したいという面接官の思いがあります。
面接も中盤以降になると、疲れや緊張が増して集中力が欠如しやすくなります。
そのタイミングでこの質問を受けた時に、思わずホンネが出てしまわないように気を付けましょう。
転職するにあたり、自分の指針となる軸はなんなのかという事を日頃から考えておくようにしましょう。
まとめ
この質問を受けるときに、付け足したようにこう聞かれることがあります。

ちなみに現職を選んだ基準はなんだったんですか?
現職と転職後の企業選びの基準は異なっていることがあります。
また、現職と応募企業が明らかに企業文化が違うことがあります。それは面接官も分かっていて、あえてこの質問をしてくることもあります。
回答としては、現職に入社したときと今回の転職は〇〇という理由があり、企業選びの基準も変わっていると伝えるとよいです。
という事で今回のまとめです。
・業務に関係する転職軸で回答をしましょう
・転職面接の中で応募企業の企業文化を探ってみましょう
・業務に直結しない回答はNGです
コメント