この記事で分かることはこんなことです
一度飛び込んでしまうと、後は笑って過ごすしかない世界
皆さんは外資系企業と聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか?良いイメージと悪いイメージが大局的なのではないかと思います。
色々と極端な風土でもあり、その中でいかにして生きていくかが外資系企業で働く醍醐味でもあります。
筆者はドロップアウトしましたが、合う人にはあっていると思います。
ルールもあってないようなもの。何でも自分で組み立てていけるのも外資系で働く魅力だと思います。
そんな面白さがたくさん詰まっている外資系企業ですが、今回はそんな環境で働いてきた筆者の感じたちょっと変な部分をご紹介したいと思います。
因みに私は大手有名外資系IT企業でセールスとして従事していました。
時間感覚がおかしい人たちばかり
初めて入社した日に、先輩が翌日に少し仕事の概要を説明してくれるということを言って下さいました。あくる日の定時に会社に行くと、
誰もいない・・・・
フロアは真っ暗で電気の付け方すら分かりません。先輩に電話すると、まだ出社してないから、近所の喫茶店で10時にしようと言われました。
そういう会社なのか、と思いましたがまさにその通りでした。基本みんな時間の感覚がありません。朝は会社に来ません。夜は深夜の2時とか3時とかにメールが飛び交っています。
会議はSkypeなどを駆使して、夜中でも平気でセッティングされます。
そして、時間を守らない人が多い・・・これ、よその会社でもそうなんでしょうか?本当に聞いてみたい。
社内ルールがありそうでない
社内処理ってありますよね?例えば何かの起案手続きを行ったり、契約をしたり、発注手続きを行ったりというような行為です。
この社内処理の明確なルールが存在しない。これは本当に衝撃でした。
誰も正しいルールを理解していないのです。なので、何かを処理しようとするとたらいまわしは当たり前。みんなどうやって仕事しているのかと、当時は理解に苦しみました。
処理一つとっても、ルールを断片的に知っている人を辿りながら進めていくのです。
一度上司になぜ誰も正しいやり取りを知らないのか、と聞いたことがあります。上司はこう答えてくれました。
『外資系はルールもコロコロ変わるし、人もいつの間にかいなくなるから分からなくなるんだ』
って。面白くてちょっと笑ってしまいました(笑)
それでも、なんだかんだで仕事は無理やりにでも進めていくわけです。しかしただでさえ超多忙な外資系企業の仕事なのに、このように無駄とも思える仕事も非常に多いわけですから輪をかけて忙しくなるのは当然です。
言ったもの勝ち、やったもの勝ち的側面がある
私は入社してすぐに、某企業の大トラブル案件に突っ込まれました。もちろんロクな説明もなく。色々とお客様と話をしてみると、既に辞めてしまった前任営業がオーバートーク(できもしないことをできるということ)してあるサービスを売ったらしいのです。
実際にそのサービスを使い始めてみると、説明と全く違う内容のものであり大変怒りがこみあがっているということでした。
外資系は担当顧客が月単位で変わったり、基本的に人材の流動性が激しいです。またセールス職であれば、販売金額に比例したインセンティブが貰えるので、多少無理してでも売り抜こうとする人は実は結構います。
結局お客様は返金しないなら出るところに出るという話になり、社内では大問題になりました。
問題の原因である前任営業担当は既にいないため、私がよく訳も分からぬまま返金の対応をすることに。その返金のルールも誰も知らないので、大変苦労しました。(数千万円返金しましたからね・・・)
マイナスインセンティブ制度って知っていますか?
さらに驚いたことがあります。外資系では普通のことなのですが、『マイナスインセンティブ』という制度があるのです。
これはどういうことかというと、一度インセンティブ(売上など業績に連動した収入)を受け取っても、その業績が無効になると返金しないといけないという恐ろしい制度なのです。
今回のケースはまさにそれに該当するという事で、インセンティブも貰っておらず、ややこしい返金対応をした私がマイナスインセンティブを払わないといけなくなったのでした。
信じられますか?(笑)
色々と手を尽くして、最終的には私の返金は取り消してもらいましたが、それでも本国(アメリカ)にまで交渉しての結果でした。オソロシイ・・・
出戻りが多い
出戻りとは、一度退職した会社に再び戻ってくることを指します。これが、本当に多いです。
中にはかなりのツワモノもいて、3か月で戻ってきた人がいます。いったい何をしているんだか・・・
ある意味寛容なんでしょうけど、あまりジョブホッパーなのもどうかと思います。しかも、役職が一つ上がって戻ってくることは外資系ではザラなので、以前から在籍している人は不公平感を感じるでしょう。
外資系は転職しながらキャリアアップしていくという日本企業にはあまりなじみのない文化があるためです。
音信不通・行方不明者がでる
これを書くと筆者はどんな会社で働いてきたんだ!と思う人もいると思いますが、かなり知名度の高い企業です。会社名は絶対言えませんが・・・
急に連絡が取れなくなる人、急に会社に来なくなる人がいます。もちろんそのまま退職する人もいますが、音信不通期間が過ぎると連絡が取れることもあります。
外資系IT企業のセールスやエンジニアと取引があるあなた、たまに全く連絡が取れない、伝言やメールをしても一向に音沙汰がない、そんな経験ありませんか?
それはまさにこの状態です。
筆者も日系企業で勤務していた時も外資系企業との付き合いは多かったのですが、こういった現象が結構起こるのでイライラしたり不思議に思っていました。
しかし、自分が外資系に転職して分かったことは、これは起こるべくして起こっているということです。
ビジネスルールやマナー的にはNGなのですが、連絡が取れない位まで仕事に追い込まれます。
当然いろんな人から鬼のように連絡が入ってきているわけですから、ある意味全ての連絡を一旦無視しないと仕事ができない状態にあるという事です。
私も今はこうしてブログを書く余裕がありますが、正直以前からは考えられない位まともな生活になっています。
数日~1週間位して連絡が取れるようになればほっと一安心です。
しかし、過労で倒れていたりしてそのままずっと音信不通が続くというよくないケースもあります。
激務であることの危険性を感じていない上司がいる
部下が倒れても『心配ないさ~』
私のある一時期の上司でこのタイプの上司がいました。激務であることが普通過ぎて、部下の体調管理に全く興味がない人です。
ある時チームメンバの一人がストレスで倒れ、2週間の入院を余儀なくされました。そのメンバの仕事を私が引き継ぐことになりました(泣)
その時に上司に『メンバの体調をもっと気遣うべきだ』と私にしては珍しく意見をしました。
しかし、上司から帰ってきた一言は非常に残念でした。
『彼(そのメンバ)は毎年1回は倒れるから、今回も織り込み済みだ。心配するな』
後日そのメンバは復帰しましたが、長年勤めた会社を退職してしまいました。とっても悔しくて、悲しかったです。
半年でチームは空中分解
当時の会社の経営方針や時期が悪かったということもありますが、結局その上司のチームは半年で5人が抜けてしまいました。
抜けた人は、体調を崩したりうつ病で会社に来れなくなったりといった理由でした。チームの3割以上が去ってしまうことになり、チームは間もなく解体となり私も新チームへ移籍することになりました。
外資系のマネージャーがみんなこの手のタイプではないことは断言しておきます。しかし、一般的な感覚がマヒしてしまうとこうなってしまう危険もあるということです。
セクハラとパワハラに寛容である
私がいた会社では、比較的ハラスメントに寛容な職場でした。
どんな職場やねん!
日系の大手企業では考えられない位、とくにセクハラまがいの発言は毎日普通に聞きます。彼氏の事とか、プライベートな事に関する質問をよく耳にしていました。
そんなこと聞く暇があったら仕事しましょうよ・・・と思いますが、あまりそこら辺のハラスメントに関しては教育コンテンツはあるはずなのに、横行していましたね。
女性は特に注意された方がよいでしょう。
よいところは悪いところの裏返しでもある
表裏一体という言葉があります。今回は外資系企業のちょっと変だなと感じたポイントを書いてみました。しかし、良い面は意外と悪いところの裏返しでもあります。
例えば、時間概念がないというのは好きな時に仕事してもいいという事でもあります。
社内ルールがなくったって、自分の裁量次第で何とか出来たりもします。
出入りが激しい会社でも出戻りOKだったりするし、音信不通になってもある意味あきらめられる風土があったりします。
ここら辺が心地よいと感じることが出来る人は、今回の記事の内容は逆によいポイントとして映るかもしれませんね。
マイナスインセンティブだけはみんなイヤでしょうけど(笑)
まとめ
というわけで今回のまとめです。
・業務量が多いことは間違いなく、更にルールや制度が整っていないことが多い
・外資系企業の良いところは、変なところの裏返しだったりする
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