新卒で入社した企業は超絶ブラック企業だった・・・・・
ロストジェネレーション最終世代(2004年卒)で就職が厳しい反面、新興のインターネット系ベンチャー企業が元気だった時期に筆者は就職をしました。
就職難の中入社を果たしたインターネットベンチャー企業は詐欺会社として名高い有名な会社でした。
そんなことも知らず、新社会人として荒波に揉まれた筆者の最初の会社。
その超絶ブラックさについて2回の記事に渡ってご紹介しようと思います。
読んでいて、正直コントなのか?と思うような会社です(笑)が実話です。
さて、あなたの会社には何個当てはまるでしょうか?
月【100人】の採用が毎月続く・・・
さて、まずは数字でわかるブラック度という観点から見てみます。
会社全体は社員1,500名程度の会社でしたが、多い時は毎月100人程度の中途採用をやっていました。
私もその100人のうちの一人として採用されました。
ところが、大体入社初月で30%は辞めていきます。
全国展開している会社でしたが、入社初月は本社のコールセンター(一応の名目)に集められて毎日電話帳片手に朝から晩までアポイント電話をさせられるのです。
もちろん事前の指導も何もなく、渡されるのは固定電話と電話帳だけです。
大抵はこれに嫌気がさして、初日から飛ぶ(会社にこなくなってしまう)人もいます。
【300万円】の商材を売る会社
さて、この会社どんな会社だったかということを説明します。
顧客ターゲットは個人や数名程度の零細企業です。ホームページを利用した集客や物販サイトを作成するサービスが中心の会社でした。
しかし、その内容や営業手法がかなり悪徳でした。
契約は主に総額300万円のリース契約です。リースの対象は顧客管理ソフトのCD1枚だけ。
ホームページ作成サービスは別途月賦契約で総額50万円程度で契約をします。
リース契約は契約後の翌月に企業側にリース会社から金利を除いた残金の入金があるので、資金繰りの面でみると非常にキャッシュフローがよくなります。
また、リース契約は基本中途解約ができません。
お客様はいったん当社と契約してしまうと、リース期間(通常は5年間で契約していました)中はずっと費用を払い続けないといけないのです。
そして、この契約の恐ろしいところは、
クーリングオフがきかないのです・・・・・
よって、かなり悪質な営業から半ば詐欺のように騙されて契約を結ばされるビジネスオーナー様もいらっしゃいました。
この商談を、2回の営業訪問で決めてこないといけないのです。基本客先へ3回以上の再訪は禁止です。
私はこの実態が分かってから退職するまで、ココロに大きな葛藤を抱え続けることになります・・・
1年後離職率【90%】
驚異的な数字です。完全に営業会社であったため、採用対象はほとんどが営業職でした。
毎日の数字に詰められ、恫喝され、生きた心地がしないような日々を送る人も多く1年後には入社した人の9割近くがいません。
この会社は広報活動は中々うまく、20代の若者でも頑張り次第で年収1,000万円も夢ではないということを巧妙に謳って採用活動をしていました。
その効果があるのか、辞めても辞めても新しい人が入社するという不思議な会社でした。
因みに私はこの会社の在職期間は1年4か月です。
それでも長かったですし、同期はほぼ全員辞めていました・・・
利益率【80%】の商材とノルマ【100%】達成
2004年頃、インターネット系のベンチャー企業で急成長を遂げた会社はいくつもあります。
信じられないかもしれませんが、現在の横浜ベイスターズのスポンサー企業もインターネット通販サイトが元々の生業でした。
総じてどの企業も高利益率を武器に急成長してきます。
弊社も高額な商材の割に中身がスカスカなため、超高利益率を誇っていました。
勿論インセンティブ(歩合)ありきの会社であったため、毎月のノルマ100%必達が至上命題の会社でした。
インセンティブは99%まで達成してももらえません。100%達成以上で初めて支給されるため、インセンティブを貰えない人の方が実際は多く、会社はとにかく従業員から搾取していました。
週休【0日】と有給【0日】と残業代【0円】
この会社では、営業の職務は大きく以下に分かれます。
入社した時は例外なく【アポインター】から始まります。
・一般(固定給:22万円):アポイントに加え、少しだけ外勤の営業活動が許される
・チームリーダー(固定給:25万円):テレアポと営業訪問活動両方を行う
・サブマネージャ(固定給:33万円):チーム管理と営業活動
・マネージャ(固定給:45万円):組織管理と全体数字マネージメント
このアポインターの層が一番人数が多く、文字通りあさから晩までテレアポをやらないといけません・・・
アポイントを取るのが苦手な社員は土日も出社させられて朝から晩までアポイントをさせられます。
このアポイントのやらされ方は後半の記事で詳しくお話します。
成績が振るわない社員には容赦ない会社でしたので、休日出勤命令は当たり前。有給の取得なんて持ってのほかでした。
筆者は成績がよかったということもあり、日曜日だけは絶対に休んでいました。(土曜出社させるなら辞めるといっていました)
インフルエンザにかかっても普通に出社しなければいけないという過酷(というか違法)な職場で当時の在籍社員は感覚がマヒしていました。
すぐに音を上げて飛ぶ(音沙汰なしに辞めてしまう)社員を根性がないとか非常識だとか馬鹿にしている風潮もありましたが、本当の非常識はどっちだ?という話です・・・
このような職場に長く居続けると、立派な●●が完成します。
●●は『社畜』だよ(笑)
もちろん休日出勤しようが、残業しようが、一切の手当は出ません。
インセンティブは結果が出た時のみ、支払われます。しかもその目標値は実現困難なレベルに設定されているという悪夢です。
1日【16】時間労働
成績が上がらない社員は実際にこのくらい働かされていました。
この数字、簡単に言うと、
朝8時から深夜0時まで通しで働いた時間
です。信じられますか?
そりゃ、飛び(辞め)ますよね・・・
そもそも、会社を【飛ぶ】という用語自体が存在している時点でどうかしています。
差別のない【0】職場
ここは唯一よかったところでした。わたしもこれがあったからこそ働き続けることができました。
それは、学歴や前職、性別や過去についての一切の偏見がなかったという事です。
【完全実力主義】を謳っているだけあって、評価基準は実績のみでした。
中卒の人もいました。元ヤンで元パチンコ屋の店長(歯が溶けている)、元暴走族、タトゥーが入っている人もいました。
新卒は基本大卒です。有名な国立大や慶應などの有名私立大卒の人もいました。
私たちはみな平等に数字で評価され、今月の部下が翌月の上司になっていることもしばしば(笑)
私は自分の組織を持っているサブマネージャという立場に居ましたが、部下は全員年上だった時期もあります。
それでも、反吐がでるような職場で、文句を言いながらも一緒に仕事ができた経験は今でも宝物です。
もう二度と同じことはしたくありませんが・・・
年【12回】の昇降格
毎月(毎日)ごとに売上げチェックがされる会社でしたので、営業系は特に昇降格が激しく行われていました。
ノルマが達成できていなければいやおうなしに降格が待っています。達成すれば昇格しますが、当然上に挙がれば上がるほど条件が厳しくなってきます。
なので、大半の社員はいいとこチームリーダーかサブマネージャクラスで止まります。
そして、毎月毎月業績がいいわけではないので、じわじわと降格がまっています。
こうして、それでも残っていく一部の特殊な人だけが会社の要職に就き、ストックオプションなどで大金持ちになることになります。
そんなアリジゴクのような会社で私は人生初の社会人経験をしました。
次回は超絶ブラック企業の日常について綴ってみたいと思います。
★追記:後編記事を掲載しました。
まとめ
この記事では実態には触れていないものの、数字だけ見てもやっぱりひどい会社ですね・・・
改めて筆者の経験した日系ITベンチャー企業のブラック度についてまとめたいと思います。
・1年後離職率90%
・利益率80%の商材を100%売上達成しないともらえないインセンティブ
・週休、有給、残業代、3つの0(ゼロ)
・年12回もある昇降格(降格のほうが圧倒的に人数が多い)
皆さまがまともな会社に転職できますように!
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